フライ川はパプアニューギニアの南西部を流れる全長約1,045km、ニューギニア島内で最長の河川である。上流に国の経済を支えるオクテディ銅・金山があるが、鉱山の開発によりフライ川流域は壊滅的な被害を受けている。
原因は、鉱山がフライ川支流のオクテディ川に大量の尾鉱や岩くずを直接流し、洪水が頻発するようになった為である。洪水によって運ばれる土砂は森林を流れ、下流の沼地や小川に侵入し、その地域の森林は立ち枯れた。水に強い湿地植物や潅木に生え変わる等の植生の変化、魚獲量の減少等の被害も出ている。下流の被害は中流ほどではないが、川底の灰色の泥はフライ川全域に広がる。また川の銅濃度は今の所基準値以下だが、重金属による飲料水や魚介類への影響も心配されている。
1994年、地域住民はオクテディ鉱山の親会社、隣国かつ旧宗主国であるオーストラリアの鉱山会社を相手に訴訟を起こした。1996年6月、損害賠償、環境の原状回復を中心とした和解が成立したが、2000年4月、会社は和解内容の履行不十分を理由に再び訴えられた。
同じ頃、世界銀行が環境的に見てオクテディ鉱山は可能な限り早く閉山すべきだという調査結果を出し、会社側は鉱山から撤退したい意向を表明した。鉱山は2009年頃まで採掘可能であり、鉱山の30%のシェアを持つ政府はそれまで採掘を続ける姿勢を取っている。
(鈴木麗)